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医師の海外移住と子どもの学校選び:インター校・現地校・日本語維持をどう考えるか

家族帯同で海外移住を考える医師に向けて、インターナショナルスクール、現地校、日本語維持、学費、住む街の選び方を整理します。

この記事でわかること

  1. 医師家庭が海外移住で学校選びに失敗しやすい理由
  2. インターナショナルスクール、現地校、日本人学校、補習校の違い
  3. ポルトガル・スペインなど候補国の教育環境と費用感
  4. 学校選びと住む街、ビザ、税務、仕事の関係
  5. 海外移住前に確認すべき学校チェックリスト

医師が海外移住を考えるとき、最初は仕事やビザに目が向きます。海外勤務可の医師案件はあるのか。オンライン診療は海外から可能なのか。税務はどうなるのか。どの国なら住みやすいのか。

しかし、家族帯同で移住する場合、最終的に大きな決め手になるのは「子どもの学校」です。

どれだけビザが取りやすくても、税制が魅力的でも、家賃が許容範囲でも、子どもの学校が合わなければ生活は安定しません。逆に、学校が合えば、海外生活は一気に現実的になります。

医師家庭の海外移住で、学校選びが重要になる理由

医師家庭の場合、海外移住は単なる転居ではありません。親の仕事、収入、税務、医師免許、子どもの教育、配偶者の生活、言語、将来の進学がすべてつながります。

特に子どもがいる家庭では、学校選びが住む国・都市・エリアをほぼ決めてしまうことがあります。

学校選びは、教育だけの問題ではありません。
住む街、家賃、通勤、送迎、親の勤務時間、ビザ、年間支出、将来の帰国可能性まで左右します。

医師家庭で起きやすい学校の悩み

  • 英語についていけるか
  • 日本語を維持できるか
  • インター校の学費を払えるか
  • 学校の空き枠があるか
  • 親の仕事時間と送迎が合うか
  • 現地校にするか、インター校にするか
  • 将来、日本に戻る可能性があるか
  • IB、British、American、French、Germanなどカリキュラムをどう選ぶか

学校選択肢は大きく4つ

海外に住む日本人医師家庭が検討する学校は、大きく4種類あります。

選択肢特徴向いている家庭注意点
インターナショナルスクール英語または国際カリキュラムで学ぶ長期海外生活、英語教育重視学費が高く、空き枠競争がある
現地校現地の公立・私立学校現地語習得、長期定住言語負担が大きい
日本人学校日本の教育課程に近い帰国予定が明確な家庭設置国・都市が限られる
補習校・オンライン日本語教育週末やオンラインで日本語・国語を補うインター校や現地校との併用親のサポートが必要

インターナショナルスクールは魅力的だが、費用が重い

医師家庭に最も人気が出やすいのはインターナショナルスクールです。英語で学び、多国籍の環境に入り、将来的に海外大学進学にもつながりやすいからです。

ただし、費用は大きな負担になります。

リスボン周辺のインターナショナルスクールは、学校や学年によって幅があります。たとえばTASIS Portugalの2026-2027年度授業料は、Pre-kindergartenで年13,007ユーロ、Kindergarten〜Grade 2で17,290ユーロ、Grade 11〜12で24,308ユーロと公表されています。参考:TASIS Portugal Tuition & Fees

IPS Cascais British International Schoolについては、International Schools Databaseに、3歳児の初年度費用が登録料などを含め15,999ユーロと掲載されています。参考:IPS Cascais fees

カシュカイシュ周辺では、Global Citizen Solutionsが、インターナショナルスクールの費用は年8,000〜25,000ユーロ程度と説明しています。参考:International Schools in Cascais

年間学費のイメージ(欧州主要候補)

低価格帯
€5k〜
一般的
€10k〜20k
高価格帯
€25k+

スペイン南部は学校の選択肢が多い

スペインでは、マドリード、バルセロナ、バレンシア、マラガ、マルベーリャ、ソトグランデなどが候補になります。特にコスタ・デル・ソル周辺は、英語系、英国式、IB、ドイツ系、スウェーデン系など多様な学校があります。

International Schools Databaseでは、マラガ・コスタデルソル地域の学校一覧に、年4,545〜9,005ユーロ、5,415〜7,085ユーロなどの費用例が掲載されています。もちろん、マルベーリャやソトグランデの有名校ではさらに高額になることがあります。参考:International Schools in Malaga - Costa del Sol

2026年版のCosta del Sol School Fees Guideでは、Sixth Form、IB Diploma、A-Levelの上位校では年14,000〜26,000ユーロ程度になると説明されています。参考:Costa del Sol School Fees Guide

学校費用は家賃とセットで考える

インターナショナルスクールの学費だけを見ると、「なんとかなる」と感じることがあります。しかし実際には、学費と家賃はセットで考える必要があります。

良い学校の近くには、同じように海外駐在員・移住者・高所得層が集まります。そのため、学校に近いエリアの家賃は高くなりやすいです。

ポルトガルなら、リスボン、カシュカイシュ、エストリル、オエイラス。スペインなら、マドリード、バルセロナ、マルベーリャ、ソトグランデ、マラガ周辺。学校選びは、住宅費と切り離せません。

費用項目見落としやすいポイント
授業料学年が上がるほど高くなることが多い
入学金・登録料初年度だけ大きくかかる場合がある
施設費・Capital Levy学校によって数千ユーロ単位になる
スクールバス住むエリアによって費用・ルートが変わる
制服・教材年度初めにまとまって必要
ランチ・課外活動月額で積み上がる
家賃学校に近い人気エリアほど高い

年齢によって学校選びは変わる

子どもの年齢によって、最適な選択肢は変わります。未就学児なら、現地語や英語への適応が比較的早いことがあります。モンテッソーリ、英語プリスクール、バイリンガル幼稚園、現地ナーサリーなども選択肢になります。

小学校低学年では、英語や現地語への移行はまだしやすい一方、日本語の読み書き維持が課題になります。インター校に入る場合、家庭で日本語学習をどう続けるかが重要です。

小学校高学年から中学生では、言語移行の負担が大きくなります。英語サポート、EAL、学年調整、入学試験、過去の成績、推薦状が重要になります。高校生での海外移住は、IB、A-Level、AP、現地卒業資格、大学進学先を見据える必要があります。

カリキュラムの違いを理解する

インターナショナルスクールといっても、中身は大きく違います。

カリキュラム特徴向いている家庭
BritishIGCSE、A-Levelにつながる英国式欧州・英国大学も視野に入れる家庭
IB探究型、国際大学進学に強い海外大学を広く考える家庭
AmericanAPや米国式成績評価米国大学も視野に入れる家庭
French / German各国政府・文化圏とつながる現地語や欧州内進学を重視する家庭
Bilingual英語+現地語現地定住や現地語習得を考える家庭

日本語をどう維持するか

海外移住でよくあるのが、英語は伸びる一方で日本語の読み書きが弱くなることです。家庭内会話だけでは、学年相当の国語力や漢字力は維持しにくいです。

将来日本に戻る可能性があるなら、国語、算数、漢字、作文、日本の社会・理科の知識をどう維持するかを考える必要があります。

日本語維持の選択肢

  • 日本人補習校
  • オンライン塾
  • Z会などの通信教育
  • 家庭学習
  • 日本語の読書習慣
  • 長期休暇中の一時帰国・短期通学

海外移住を「英語教育のため」と考える家庭は多いですが、実際には英語と日本語の両方をどう支えるかが大切です。

医師の働き方と学校スケジュール

医師が海外から働く場合、日本時間でオンライン診療や会議を行うことがあります。これは学校送迎と衝突することがあります。

たとえば欧州在住で日本時間夕方の診療を行う場合、現地では朝〜昼になることが多いです。子どもの送迎、学校行事、課外活動、習い事と両立できるかを考える必要があります。

学校選びのチェックリスト

項目確認すること
空き枠希望学年に空きがあるか
入学時期年度途中入学が可能か
英語サポートEAL/ESLがあるか
カリキュラムBritish、IB、American、Bilingualなど
学費授業料だけでなく初年度費用を確認
送迎スクールバス、車、徒歩、交通手段
住むエリア家賃、治安、学校までの距離
将来進学日本帰国、海外大学、現地大学のどれを想定するか
日本語維持補習校、オンライン学習、家庭学習
親の働き方時差、診療時間、送迎時間が合うか

国別に見る教育環境の印象

ポルトガル

リスボン・カシュカイシュ周辺に英語系・IB・米国式・英国式の選択肢がある。英語が通じやすく生活しやすい一方、人気校と家賃上昇には注意。

スペイン

マドリード、バルセロナ、マラガ、マルベーリャ、ソトグランデに選択肢が多い。地域によって英語環境や学費が大きく違う。

UAE

ドバイはインター校が非常に豊富。英語環境が強いが、学費・家賃・車生活のコストは高くなりやすい。

タイ・バリ

英語系インターやモンテッソーリなどがある。生活費は抑えやすい一方、大学進学や医療体制、長期ビザは確認が必要。

まとめ:学校を決めることは、海外生活全体を決めること

医師の海外移住では、仕事やビザが注目されがちです。しかし、家族帯同であれば、学校選びが生活の中心になります。

インターナショナルスクールにするのか、現地校にするのか。日本語をどう維持するのか。学費と家賃をどこまで許容できるのか。親の働き方と送迎は両立するのか。将来日本に戻る可能性はあるのか。

これらを整理して初めて、海外移住は現実的な計画になります。

海外で暮らしたい医師にとって、子どもの学校選びは「教育」だけの問題ではありません。仕事、住まい、税務、家族の幸福度、将来の進路をつなぐ土台です。

参考情報:TASIS Portugal、IPS Cascais、International Schools Database、Global Citizen Solutions、Costa del Sol School Fees Guide、Allianz Careのexpat education guideなどを参考に構成しています。